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歴史・地理
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アメリカ人の半分はニューヨークの場所を知らない (Bunshun Paperbacks)


町山智浩
¥ 1,050 通常24時間以内に発送
★★★★★

アメリカ人の半分はニューヨ...
アメリカに長期滞在したことがある人なら「ああ、わかる…アメリカの人ってこういうとこあるよね」と苦笑してしまうところが多々あると思う。 それにしてもヒドすぎる、という驚きもあって、共感と驚きのある本だった。 つまり面白かった。 この手の苦笑と驚きは、どこの国にもあることだと思うが(もちろん日本にも)、それを知っておくのはお互いを理解するうえで大事だと思う。 週刊現代で連載していた「アメリカで味噌汁」、TBSラジオ「ストリーム コラムの花道」で語っていたモノに沿った内容で執筆されていますが、ブッシュ政権の無軌道・無策ぶりには怒りを通り越してあきれ果てるものがありますが、それに付随している御用メディア・ロビイストもまた然り。 そんな中、今回読んで一番の関心は町山さんが今回の大統領選で敗北したマケイン候補に触れている点で、詳しくは述べませんが、もしブッシュとペイリンの失態がなければオバマ次期大統領とは最後まで勝敗がわからないくらいになっていたかもしれません。また現在のアメリカが抱える問題点にも余すことなく追求していてここでも町山節が冴えています。 ぜひお読みください。この本、面白いです。...

ニューヨークのとけない魔法 (文春文庫)


岡田光世
¥ 620 通常3〜5週間以内に発送
★★★★★

ニューヨークのとけない魔法...
ニューヨーク=大都会、というイメージを 柔らかな感性で覆す、珠玉のエッセイ集。 人には目に見えないオーラのようなものがあって 作者がまとっているそれは、自然に人を惹きつけるようだ。 老若男女が静かに彼女に歩み寄って そしてゆっくりとふれあってまた離れていく。 心が疲れたとき、人間関係に迷ったとき、 気持ちをそっとニュートラルにしてくれるような、 優しさに満ちあふれた日本語と英語の言葉たち。 ベッドの脇に置いて眠ったら、いい夢が見られそうな そんな素敵な一冊です。「ダコタハウスの大晦日」から読み始めた読了日、電車内にいるにも関わらず、いつの間にか溢れてきた涙で一杯になった。私もかつてわずか半年ほどではあるが、秋から冬を越え、春先に至る季節をこのNYで過ごしたことがある。だからこの文章の底にあるミッツィの想いにより共感できたのかと思う。NYには不思議なパワーが集積しており(作者の言う「魔法」の源にいなっている…)、常に活き活きと生きることができる街なのだ。そうした街の魅力が彼女の身の周りを描いたこのエッセイの中にも溢れており、様々なエピソードが幾重にも重なりながら彼女がまるで私に話...

夜霧 新版


ヴィクトール・E・フランクル
¥ 1,575 通常24時間以内に発送
★★★★★

夜霧 新版
あらかじめお断りしておきますが、私は旧版を読んでいません。 ですので比較はできません。 強制収容所については多くの著書や映画がある。 しかし、この著作はそれらとは視点がことなるものである。 心理学者という目でみた人間への最大の問いかけとそして生きる姿がここに記されている。 人間の生きることに心理がどのように影響しているのか、極限で生きる人の心はどのような状態に陥るのか。 しかし、決して心理学をうったえて問うているものではない。 およそ、強制収容所での生活など微塵も想像できない、人間にも人間の心とは何かを著者はうったえている。 人間が人間である限りに著者が私たちにうったえるものは普遍的である。 一度、手にとって読んでいただきたい。 戦争や惨事を扱ったものを悲しすぎて読めない、という気持ちはわかる。しかし読んでみてはじめてわかることもある。彼らがうったえることをなかったことにしてしまうことは非情なことでもある。 自らのこれからの生き方を誰でもなく、自らに問うて必死に生きていきたい。医師国家試験に合格した親友にお祝いを贈ったところ、返礼としてもらった大切な本。 極限状態でも人生の意味を見...

日本鉄道旅行地図帳 5号 東京―全線・全駅・全廃線 (5) (新潮「旅」ムック)



¥ 680 通常24時間以内に発送
★★★★★

日本鉄道旅行地図帳 5号 ...
東京に在住することもあって 「東京編」で本シリーズを始めて購入したが、 廃線を含む都電路線やトロリーバス路線、 山手線近辺の私鉄の廃駅の位置もわかった。 都営含む地下鉄や国電の延伸の一覧表や 地下鉄駅の高度(深さ)の図もある。 詳しい説明も無く、ただ地図と路線図、 路線一覧表だけの内容ではあるが 昔はどうだったのか、今はどうなっているのかと 色鮮やかな地図を観賞するだけで想像を掻き立てられる。 構想線・夢想線の地図もこりゃあったら便利だなとか、 ここの乗り換えはどうなるんじゃ?と面白い。 ただ廃線と現存線の色区別が少々わかりにくかったのが残念。 良く使う丸の内線の池袋駅が現在よりも 少し東側で開業したのはこの本で始めて知った。 私鉄を知りたい人には関東1&2が良いようである。 正縮尺の恩恵はこの地図で海沿いを走っていれば実際乗車しても海が見えるって事だ、今までの地図は他の表記に押されて路が微妙にディフォルメされてて、海沿いを地図で走る路線なのに海が見えない乗車風景だったりしましたからね。本当の贅沢旅行とはゆっくり時間をかけて旅をすること、貧乏暇なしとは言いますが、お金のかからな...

坂の上の雲〈1〉 (文春文庫)


司馬遼太郎
¥ 670 通常24時間以内に発送
★★★★★

坂の上の雲〈1〉 (文春文...
タイトルを付けて思ったのですが、秋山兄弟や正岡子規をはじめとする登場人物のすがすがしさにとどまらず、彼らを通じて、新しく作られた国の持っている若々しさを感じます。 この作品が作られた昭和の時代ではなく、今読むことで特にその雰囲気を感じることができるのではないかと思います。モノが満ち溢れているのに何故か閉塞感漂う現代。これに比べて、小説の中の日本はほんの小さな国だけれども、何と悠々として晴れやかなことか。伊予弁の持つのんびりとした雰囲気も捨てがたいけれども、それだけではないと思います。これから日清戦争、日露戦争へと突入するのでしょう。これからが楽しみです。 明治維新直後の新しい世界にたくましく生きていく3人の男の姿に 素直に心惹かれます。 秋山兄弟に正岡子規。後からみればまったく性格の異なる3人ですが、 世に出るきっかけは、現状を改善したい、自立したい、できれば名を成したいという 同じような動機だったというのがおもしろいです。司馬遼太郎さんの作品を初めて読み始めてますが、まずは一巻ということで、主人公たちの幼少時代から入ります。明治初期の幼い主人公達が立身主義の日本で学問を学ぶ姿...

竜馬がゆく〈1〉 (文春文庫)


司馬遼太郎
¥ 660 通常24時間以内に発送
★★★★★

竜馬がゆく〈1〉 (文春文...
名前は何度も聞いたことあるけれども、読んだことがなかったのでまとめ買いしてみました。 読み物としてとても面白いだけではなく、生き方やものごとの本質の見極め方まで教えてくれる本であると感じました。 この本は歴史小説の名を借りた自己啓発本、ビジネス書であると思います。 もっと早く読めば良かったと後悔しています。坂本竜馬の物語、全8巻の1冊目である 1冊目が描くのは 故郷土佐から江戸へ剣術修行に旅立つシーンから 桂小五郎と剣道の他流試合をするシーンまで 冒頭は 家族とのふれあいや家のしきたりに重ね合わせ 竜馬の人物が ゆっくりと穏やかに語られる 時間の流れは遅く 竜馬の心もやんわりとしてて 旅立つその3月半ばの季節に 何もかもが溶け込んでしまいそうな雰囲気だ 江戸への道中では 身分違いの女、老舵取り、辻斬り、泥棒らと出会い、そして別れる まだ無名で無力 しかし迷いながらの行動が、少しずつ竜馬の考え方を形作っていく 江戸に移ったあとでは 剣の修行で徐々に頭角をあらわしていく 同時代の改革者が、物語に登場しはじめるが まだ竜馬は改革者として目覚めていない そんな中、剣の達人でも...

竜馬がゆく〈2〉 (文春文庫)


司馬遼太郎
¥ 620 通常24時間以内に発送
★★★★★

竜馬がゆく〈2〉 (文春文...
坂本竜馬の物語、全8巻の2冊目である 2冊目が描くのは 江戸での残り少ない剣修行の日々から 土佐に戻り、考えた末脱藩するシーンまで 冒頭竜馬は、無二の友である武市半平太と、堅物の中岡慎太郎と酒を飲む 無用な一言で、竜馬と中岡が一発触発の事態となるが 素朴な思いと実直な行動で丸くおさめ 凡人にはとらえることができない 一人の魅力的な男を際立たせる 土佐までの旅は、やっかいな人物を抱えてしまい 追手と対峙したり 憧れの人と出会い、料亭で落ち合ったりする 若さゆえに巻き込まれてしまうその場面に 竜馬は竜馬らしくふるまおうと もがきあがいている 脱藩は自分だけでなく身内も巻き込む違法行為 自分、身内、友、将来との関係に、どうケリをつけるのか 離れていた竜馬の心と行動が やがて一つになっていく 風雲急を告げている 弟のために決意する姉の行動に、心打たれる 姉弟の絆の強さに、心惹かれる北辰一刀流千葉桶町道場塾頭にまでなった竜馬も土佐へ・・・普通は安穏と自分の道場を開き町の尊敬を集め、というのが成り上がりコースな訳だが竜馬の頭にそんなコースは細すぎた。 軟弱だと思い込んでいた公家の、平...

竜馬がゆく〈3〉 (文春文庫)


司馬遼太郎
¥ 660 通常24時間以内に発送
★★★★★

竜馬がゆく〈3〉 (文春文...
この3巻の幕開けは岩崎弥太郎が飾る。後に三菱帝国を築き上げていく男だ。 が、彼の若い頃は悲惨と言わざるをえない貧困暮らし。それを時代が拾い上げた。 竜馬以外で倒幕後の算盤勘定をしていたのは彼だけではあるまいか・・・ 大名行列を見て「こんな愚劣なことをしていて喜んでいるようでは幕府も潰れるぞ」と直感したのは彼が一番早かったのではないか・・・と本書にある。異質の男だ。 人斬り以蔵を使い暗殺に躍起になる武市とその限界を見つつ勝海舟との出会いでわが道をハッキリと認識する竜馬。 「議論などはよほど重要なことでないかぎりしてはならぬと自分に言い聞かせている。議論に勝ったところで相手の名誉を奪うだけである」という一文には我が身を振りかえざるをなくもなる。 元々船好きの竜馬が勝に見込まれ己の道を猛進し始める。 勝と作る私塾の海軍学校を作るため松平春獄に金を借りにいくくだりが痛快だ。 「金くらいは集めてやる」という気概がたまらない。なにせただの浪人が殿様に金を無心に行くのだ。「世に生を得るは事を成すにあり」という竜馬の座右の銘が登場する。「たとえ目的が成就できなくてもその目的への道中で死ぬべきだ。生...

竜馬がゆく〈4〉 (文春文庫)


司馬遼太郎
¥ 660 通常24時間以内に発送
★★★★★

竜馬がゆく〈4〉 (文春文...
それにしてもこの時代の志士達は尋常な神経ではやっていけない。 真剣で斬られる局面を幾度も切り抜けてきたものだけが幕末後の明治という世を見ることが出来た。 竜馬も例外でなく結局は斬られてしまうのだが、それまでに何度斬りすてにされそうになったか、両手でも足りないほどだ。 そりゃ胆力もつくわな。 土佐では、京都での長州失脚すなわち勤王派の勢力ダウンという時勢に変わった瞬間、山内容堂による土佐勤王党の弾圧が始まる。 そして竜馬の盟友、武市半平太は切腹させられる。 観念的な思想にもとづいて動いた武市と、現実的視点のみで動く竜馬との差が結局ここまでひらいてしまった恰好になる。 その点勝海舟という幕僚と竜馬は恐ろしいほどの共通点があった。耳を信じず己の目で見たものから思考する。 4巻でも思わずほろりと来る場面がたくさんあるが中でも、法螺と馬鹿にされても軍艦を手に入れるといい続けた竜馬がやっと本当に軍艦を一隻手にしたときの描写は笑いながら泣かせられる。陸奥とのやりとりも漫才のようで面白い。 「俺には仕事があって、生死などはない」は素晴らしい一言。 司馬さんの竜馬評も楽しい。 「竜馬ほどおしゃれ...

坂の上の雲〈2〉 (文春文庫)


司馬遼太郎
¥ 670 通常24時間以内に発送
★★★★★

坂の上の雲〈2〉 (文春文...
日清戦争前後のお話。 こういう時代にあって、秋山真之は留学を重ね軍人として着実に成長しています。 一方、学生時代には移り気で何をやっても物にならない正岡子規ですが、 俳句というものに出会い、文人として一気に大成しました。 特に死を意識してからの彼の行動は鬼気迫るものが感じられます。 人間、熱中できるものを見つけた時の力を思い知った気がしました。日清戦以降の時代の大きなうねりの中で、秋山好古、真之、正岡子規がそれぞれの境遇、立場の中で、感じ、行動する様の対比がおもしろい。 滅び行く清や、日本の前に立ちはだかろうとするロシア、そしてそのような状況の中で日本はどこへ行こうとしているのか、時代背景が手に取るように伝ってくる。この巻では主に、闘病しながら文筆活動を続ける正岡子規と、軍人として活躍を始める秋山真之を中心に描かれています。 正岡子規に関して小学校の教科書レベルでしか知らなかったので、過去の俳句や短歌を検証し、新たな作風を作り上げていった彼の功績を初めて知りました。それにもまして結核を患いながらも壮絶なまでに創作活動を行う彼の執念に胸を打たれます。 一方、秋山真之という人物の資質...

マイ・ドリーム―バラク・オバマ自伝


バラク・オバマ
¥ 2,520 通常24時間以内に発送
★★★★★

マイ・ドリーム―バラク・オ...
バラク・オバマの映像や演説から「何か」を感じた人に薦める。 543ページというぶ厚い本だが、あなたが感じた「何か」を探りたければ、きっとどんどん読みすすめることができる。 読み終わったあなたはきっとオバマに会いたいと、思うだろう。 「勇気について、悲しみについて、強さともろさについて…」直接話しを聞きたくなるにちがいない。 ケネディーが生きた時代を、リアルタイムで経験することはできなかったが、きっと彼に備わっている何かと同じものが、バラクにはあるだろうと思うのだが、どうなんだろうか?最近話題のアメリカの上院議員です。2008年の合衆国大統領の民主党候補の座をクリントン前大統領の夫人、ヒラリーさんと争っています この本はその著者の「自伝」とあります。 全3部で成り立ちます。1部と2部自分の父母や祖父母、そして自分の生まれ育ちを語り、3部では父親のふるさとであるアフリカのケニアに渡った時の話で成り立ちます。 500ページを超える大部ですが、その論旨は必ずしも明快というわけでもないのですよね。それでもその言わんとするところを読み取ろうと私なりに努力しました。 結局本書...

竜馬がゆく〈6〉 (文春文庫)


司馬遼太郎
¥ 620 通常24時間以内に発送
★★★★★

竜馬がゆく〈6〉 (文春文...
ついに不可能といわれていた犬猿の仲の薩長の手を握らせた竜馬。 どんな優れた交渉術をもっていたのだろうか、とても気になるところ。 明治という新しい時代の幕開けもすぐそこまでという第6巻。 7、8巻の終盤が楽しみです。 司馬遼太郎の名作『竜馬がゆく』の第六巻。遂に成った薩長の秘密同盟、その間を取り持った坂本竜馬一人の手によって維新の歴史が動かされていく。時期を同じく薩長連合を目論んだ土佐の英雄中岡慎太郎と共に、薩摩は西郷隆盛や大久保一蔵、長州は桂小五郎の繊細な心境を汲みながら、薩長をつないで行く竜馬の姿はまさに見事である。一度は同盟成立へ向けて薩摩を発った西郷も、時勢と世論に圧されて京都へ。怒った桂率いる長州を宥めつつ、再び舞台は京都。既に広まった志士坂本竜馬の上洛情報を知って、坂本竜馬の包囲網は大阪・兵庫にまで広がるが、そんな事に臆せず、大阪城代大久保一翁や新撰組藤堂の計らいの下、無事京都へ到着する。坂本竜馬の到着で、漸く西郷と桂が手を握った。 前巻辺りまでには余談や後日談などやや冗長な表現が続く事もあり、この巻も決してそれらが少ない訳ではないが、多くは薩同盟の性格を知る上で必要不可欠...

竜馬がゆく〈5〉 (文春文庫)


司馬遼太郎
¥ 620 通常24時間以内に発送
★★★★★

竜馬がゆく〈5〉 (文春文...
長い長い「竜馬が行く」にちょっと息切れしてしまい、途中で断念しかかったこの五巻。 大人気の大河ドラマ篤姫にも影響されて、半年振りに竜馬の世界に復帰しました。 で、感じたのは、やっぱり面白いということ。 篤姫を観ることで徳川側からみた幕末を知り、この「竜馬が行く」を読むことで倒幕側からの幕末も同時に知ってくると、両方が非常に面白くなります。 幕末という時代は、司馬さんが本の中で『維新史は、その歴史そのものが壮大な戯曲である』と、言っている通り、本当に面白い! とくにこの五巻は竜馬というより、幕末という時代を主役に据えている印象が強い巻なので、その維新史の面白さが存分に味わえます。 池田屋の変、蛤御門ノ変、長州や薩摩の動向、新撰組、高杉晋作、来島又兵衛、司馬さんが、『神が幕末の混乱を哀れんで派遣した妖精』と例えた勝海舟、そして西郷隆盛。 『評するも人、評せさるるも人』。 竜馬に西郷の印象を尋ねた時の返答を聞いた勝海舟が残した言葉がこれ。 さて、竜馬は西郷をどうみたのか。 そんな幕末の主役、二人の対面が書かれているのがこの五巻です。 様々な人物に焦点を当てるだけに、スト...

故郷忘じがたく候 (文春文庫)


司馬遼太郎
¥ 500 通常24時間以内に発送
★★★★★

故郷忘じがたく候 (文春文...
表題作は、著者の持って回った独特の臭気があって嫌い。もっと単刀直入に、歴史的事実に迫れば良いのに、なかばエセー的な書き振りがよくない。「惨殺」「胡桃に酒」は、秀逸で、とくに、「惨殺」は維新直後の動乱の東北が舞台。情報に疎い地域だけに、なんとなく、時流に乗れず、今から見ると頓珍漢なのだが、「中世の秋」ではないが、維新前後を「近代化」の視点から手繰り寄せるように見るのは一面的で、当時は、十分に「江戸時代の秋」だったのだと思う。その動乱期に、長州出身の2番手の人物が孤軍奮闘、性格的な欠陥が及ぼして、努力が報われず崩壊していく様が悲喜劇なのだが、一方で、寝ぼけたような伊達藩の連中のそれなりの陰険さもリアリティがある。新政府か佐幕かで東北各藩が割れて、なかには「城が落ちる」という時代錯誤的な素っ頓狂な事実まで記載されているのが興味深い。ガラシャを描いた「胡桃に酒」は少し出来すぎだが、何も言うことは無い短編。表題作の「故郷忘じがたく候」は朝鮮の役で島津に連行された朝鮮人の陶芸職人沈寿官の一族の悲哀を、小説というより筆者の取材のような形で描いています。 話に出てくる14代沈寿官氏の写真を検索してみ...

竜馬がゆく〈8〉 (文春文庫)


司馬遼太郎
¥ 620 通常24時間以内に発送
★★★★★

竜馬がゆく〈8〉 (文春文...
はるか昔、NHKの大河ドラマで放映されていた。また、この作品が好きだという人の話も何回か聞いたことがある。でも、全8巻の大作に手をつけようとしなかった。 きっかけは、斎藤孝氏の「日本を教育した人々」を読んだことである。斎藤氏は、吉田松陰、福沢諭吉、夏目漱石と共に、司馬遼太郎を挙げた。日本の人々に歴史と生き方を伝えたということらしい。そこで、最もポピュラーな「竜馬がゆく」を読むことにした。そして、すっかりはまってしまった。 竜馬の33年間の生き様を生き生きと描ききっている。幕末の志士たち、竜馬の家族、友人達が多く登場する。ときどき、数十ページ、竜馬から離れ、別の人物の話が挿入されることもある。おもしろいのは、司馬遼太郎が、ナレーターのように作品の途中で、解説に出てくるところである。歴史的背景の説明や取材の裏話など私は、この部分を大いに楽しんだ。 読後、伏見から京都へ、竜馬の足跡をたどる旅をした。若者のファンも多いことがその旅でも分かった。この小説はとにかく最高です。少し長いなぁと思える所も有りましたけど、この最終巻を読み終えるとそんな事はすっかり忘れていました。特に「この長い物...

竜馬がゆく〈7〉 (文春文庫)


司馬遼太郎
¥ 620 通常24時間以内に発送
★★★★★

竜馬がゆく〈7〉 (文春文...
幕末物は新選組関連しか読んだことがなかったので、この作品を読むと同じ幕末時代に生きていたとは思えない程、さまざまな人物、思想、各藩の政治問題が書かれています。(時間を置いて読むと記憶を取り戻すのにちょっと苦労(汗)) なのでこの作品で幕末時代の生活がよくわかり、とても勉強になりました。(新選組はかなり閉鎖的な世界。私自身保守的なのでこちらの方が共感はしますが)薩長といえばお金があり改革派ということは知っていたのですが、長い間ずっと犬猿の仲で連盟するのにものすごく手間と時間がかかったことや、「海援隊」とは何をするか、どんな目的で結成されたか、どのような人物がいたかが書かれており、この時代に幕府以外が貿易という考え方、行動をすると犯罪・死刑に値するほどのことなんて知りませんでした。(それを薩長はやっていたのでいわゆる密輸) この巻には「お慶」の章があるのですが、この人物は長崎きっての美人女商人38歳。(生まれはお嬢様)でまだ鎖国体制の25才の時に上海へ密航、その後日本茶の輸出で富を築き、一人身ながら大屋敷を持ち、着道楽、仏製香水までつけていて、彼女だけに限らず困難な時代でも努力はもちろん...

ご冗談でしょう、ファインマンさん〈上〉 (岩波現代文庫)


リチャードP.ファインマン
¥ 1,155 通常24時間以内に発送
★★★★★

ご冗談でしょう、ファインマ...
これまで読んだ本の中でトップ群に入るおもしろさでした。 天才の思考回路をかいま見れます。物理学にまったく興味がないのだが、自伝としての評価が猛烈に高いので、興味を持って読んでみた。 確かに面白い。そして、学問を目指し、仕事にしている人の生活や考え方が垣間見れて、おもしろかった。 それぞれのエッセイの内容も、学校の話だけでなく、広く行動した筆者の活動そのままに多岐にわたり、ただの学者の綺麗なエッセイに収まらない。 こういういい本はもっと若い時に読みたかった。そうしたら、自分の人生も違ったと思う。前半ではブラジルや日本での滞在記が面白可笑しく述べている.そこから垣間見られることはファインマンの精神は,郷に入れば郷に従えということだろう.ブラジルでは一生懸命ポルトガル語を勉強し,ポルトガル語で講演をしようとしたり,日本では学会が用意したホテルではなく,日本式の旅館に無理を言って泊めてもらったり,その国の伝統・文化を楽しんでいる. 後半はアメリカの教科書の選定委員を通して,アメリカの抱える教育問題を痛切に批判したり,まったく未知だった芸術の世界に飛び込んで,ある程度成功を収めた話や趣味のド...

坂の上の雲〈3〉 (文春文庫)


司馬遼太郎
¥ 670 通常24時間以内に発送
★★★★★

坂の上の雲〈3〉 (文春文...
正岡子規の死から日露戦争開戦までが描かれています。 戦争といえば、圧倒的な国力の差を気持ち一つで埋められると 考えた太平洋戦争した思い浮かびませんでした。 日露戦争も同じようなものかと思っていましたが、 国家を守るために今何をしなくてはならないのかを第一に、 冷静に状況を判断し事態に対処していく各々の姿に熱くなるものがあります。 同じ戦争でも、携わる人によってこうも性格が異なるかなと考えさせられます。日露戦争開戦に向けての意思決定と開戦準備がテーマ。 当時大人と子供ほど国力の差があったロシアに対して、なぜ日本が開戦を決意するに至ったのか、当時の人々の深刻且つ切実な葛藤・決意が臨場感を持って伝わってきます(「このまま時が移れば移るほどロシア側に有利で日本側に不利です。今なら何とかなる。日本としては万死に一生を期して戦うほか、残された道はない」)。 国に対する愛情だけでなく客観的・冷静な彼我分析のもとに、日本がなけなしの総力を結集していく過程には思わず心が動かされます。 いよいよ日露戦争の戦いの火蓋が切られる第3巻。 前半部分では、戦争回避の努力もむなしくロシア側の理不尽な要求に追...

日本鉄道旅行地図帳 4号 関東2―全線・全駅・全廃線 (4) (新潮「旅」ムック)



¥ 680 通常24時間以内に発送
★★★★★

日本鉄道旅行地図帳 4号 ...
正縮尺の恩恵はこの地図で海沿いを走っていれば実際乗車しても海が見えるって事だ、今までの地図は他の表記に押されて路線が微妙にディフォルメされてて、海沿いを地図で走る路線なのに海が見えない乗車風景だったりしましたからね。本当の贅沢旅行とはゆっくり時間をかけて旅をすること、貧乏暇なしとは言いますが、お金のかからない贅沢なら今時代歓迎されるもの、このシリーズの購入者が女性が3割というのが鉄オタだけの専門誌ではなく、旅行のお供としても有用なことを示している。なお、発刊を促したのは鉄オタ、色んなジャンルのあるオタだがその一部にも全体にもお勧めの一冊。だって写真を撮るにも周りの風景が地図で正確に読める。時刻表系の人にも地図の正確性は今までの地図との比較やリアルなカーブに酔える。廃線を歩くのにも、乗りながら風景を眺めるのも、まさに用途は無限大、正確な地図にここまで需要があるのは鉄オタのおかげ、日本独自の文化を誇りたい。ちなみに私はガンダムオタク、しかし最古の鉄オタ無しにガンオタも存在し得なかったはず。ありがとう。正確な縮尺の地形図の上に、すべての路線、駅がトレース。鉄道ファンの編集者らが作成も、3人...

坂の上の雲〈4〉 (文春文庫)


司馬遼太郎
¥ 670 通常24時間以内に発送
★★★★★

坂の上の雲〈4〉 (文春文...
日露戦争において英雄か凡将か評価が両極端に分かれる乃木希典。 司馬先生は凡将の立場で旅順攻略戦を描いており、 乃木の評価に対する議論を紛糾させる契機になったといわれてます。 とにかくこの本では正面から突撃あるのみです。 大将の心理を含め、日露戦争を丹念に描いています。 ロシアのクロパトキンもそうですが、 個人の感性や性格に戦局が大きく左右されていく姿に興味が惹かれました。 ○読み始めたきっかけ 司馬遼太郎の歴史モノが好きで、その中でも経営者を中心に愛読者の多い、 「坂の上の雲」を読んでみました。 ○心に残る言葉 日本の砲弾は、敵艦船の装甲を打ち破るのではなく、甲板で炸裂し火災を起こさ せ砲台を無力化することを目的としている。兵力の少ない日本海軍にとって、最も 効率的に戦闘する手段の一つ。 日露戦争当時では、一軍の統率は司令官がその人格力をもってやる、作戦の方は 参謀長が受け持つ。基本的にすべて参謀長に任せる。二者択一を迫られた時か、戦 況が紛糾した時のみ司令官が決を下す。 p.184 農業社会=有能無能の価値基準はなく、自然の摂理に従って、きまじめさと 精励さ嵩が...